日別アーカイブ: 2014年11月26日

伊那坂東三十三所巡り ~鹿塩編~

四国の「お遍路さん」のように、伊那谷にも霊所を巡るルートがその昔およそ250年ほど前にいくつか創られている。
もっとも現代においてはほとんど忘れ去られているといってもいい。

今日は日頃、旧秋葉街道の整備にご尽力されている秋葉古道歩き隊の皆さんの企画で、伊那坂東三十三所の村内7カ所を巡るツアーが開かれた。

いつか巡ってみたいと思っていたルートだったので、ありがたく参加させていただいた。

巡礼のコースは中川村、大鹿村、松川町、豊丘村、高森町を結ぶ。
霊所三十三か所中、大鹿村には14カ所もある。今日は鹿塩の7カ所を巡った。
おなじみのお寺から、今では跡形もない寺院まで7カ所、いわれを聞きながらそれぞれに配する観音様、閻魔様、薬師如来などを拝んでいった。

あるお寺に保存してある掛軸の施主に御先祖様の名前も発見した。
今の国道152沿いにある寺院は2,3所で、あとは旧秋葉街道1,100m付近に多く霊所が設けられている。昔の人は本当に山の中に住んでいたのだと実感した。

250年前、どうして巡礼がブームになったのかと参加者で想いを巡らせた。
アイディアとして・・・
150年くらい戦争が無かったので空前のレジャーブームとなった。
1,750年代は、浅間山が噴火したり、アイスランド大噴火もあり全世界的に冷害があった。また天明の飢饉があったのでみえない力に祈る必要があったなど、いろいろと想像を巡らせた。

巡礼ブームが去った後、数百年、仏像達はそこにいる。
今では地元の人すらその存在を知らない。
どのように文化財を残すのか、改めて難しさを感じるとともに、個人的な興味はますます膨らんだ。
この冬・・・巡ろうか。