月別アーカイブ: 2015年1月

「大鹿の100年先を育む会」内 リニア対策委員会実施

大鹿の100年先を育む会」では、村が設置するリニア対策委員会に参加しています。
これまで委員会ではJR東海が出しているアセスに要望などをあげていますが、先の住民説明会では納得のいく説明が得られませんでした。委員会では今後それにどのように対応していくか検討します。

今日は、会員メンバーに集まってもらい要望など意見を集約しました。

住民側からすれば基本的に判断材料になるデーターが抜け落ちているので要望をだそうにも難しい、というのが現状。
JR東海は住民の「理解と同意」を得たいといっていますが、そのそっこにあるべきものは「信頼関係」です。
本当に住民の「理解と同意」を得たいのであれば情報を小出しにしたり、データーを出さないといったJR東海のこれまでのやり方では目標は達成できないでしょう。

このリニア計画の進め方には、本当にびっくりします。
より多くの方とこの現場をシェアしたいです。

次回のリニア対策委員会は、1月26日(月)13:30から、役場2階の会議室で行われます。
傍聴希望☆傍聴大歓迎!
どなたでも傍聴することが可能です。

冬の加工食品 その2

山からのありがたいいただきもの。
猪肉で生ハムづくりをおこなっています。
こっくりとした脂肪が舌のうえでとろけて。
秋のブナ林の豊かさが頭をよぎります。

オオシカ谷の冒険アーカイブスはこちらから

雪に覆われている山の頂、寒々とした里の様子を眺めていると、あの旺盛だったみどりたちは今、どうしているのかなとおもう。
彼らに会える季節は、きっと瞬く間のうちにやってくる。

大鹿の100年先を育む会」では、年間を通じて大鹿の植物(みどり)たちを調べる植生調査を実施しています。会員が山や渓谷を歩いた時のレポートをまとめている他、有識者執筆の資料などこちらからご覧いただけます。

エッジのきらめき

冬の美しさは「エッジの明瞭さ」にあるとおもう。
ものとものとの境目がくっきりしているのに
全体は穏やかな印象。
それがそれとして、そこにあるだけで
全体は安定している。

季節のお勧めの一品

20150116_photo01小渋ダムのワカサギをほぼ毎日釣りに行く男性スタッフ。

この釣りもののワカサギたちは、「右馬允のうどん屋」の単品料理でご注文いただけます。
今日は、ワカサギの天ぷらとワカサギの半日ぼしゆず醤油仕立て。

赤石山地の清流で育まれた彼らを是非ご堪能ください。

旬のものは旬の時期においしくいただく♪が山里の掟です。

冬の加工食品 その1

20150115_photo01冬は乾燥していて清潔です。いろんな加工食品を試してみるシーズンでもあります。

無農薬のゆずを知人から送っていただいたので今冬はゆべし作りに挑戦!

右馬允でおだしできるのは3月~4月あたりでしょうか。こうご期待!

奥山の浄化の儀式

大鹿村内最遠の集落「日本のチベット」釜沢(かまっさわ)。

ここで本日行われるのは、小正月の浄化の儀式「オカリヤ様」。(里では一般的に「どんど焼き」と言われている)

釜沢は、南北朝の時代に南朝の東国攻略の拠点として、後醍醐天皇の第八皇子宗親(むねなが)親王が暮らしていたせいか、宮廷の形式をそのままに受け継ぐ風習が残る。
小正月の行事「どんど焼き」もその一つだ。

「どんど焼き」は日本全国で広く見られる小正月の火祭り行事だが、呼び方も様々で、地域によっては「ホンヤリ様」、「さんくろう」、「おんべ」、などといわれる。
ここ釜沢では「オカリヤ様」という。
もともとは平安時代の宮中の年中行事であったものが各地で広がり、変化し、地域それぞれ独自に根付いてきた。
釜沢で受けつがれている「オカリヤ様」は全国的にみても珍しい「床あげ式」。一般的な「どんど焼き」はドントを作ってから点火するが、釜沢の「オカリヤ様」は火種にオカリヤ様を担ぎ下ろすスタイルなのだ。一説には釜沢にしかない形式だともいわれている。

「今年はあそこの竹をつかおう」「で、中身はどうする?」
「Mさんの所に切り倒したイチョウがあったはずだけど・・・」
「死んだ木をつかっとちゃしょうない。使うのは松とかヒノキとか針葉樹だ」と、伝統を口伝するのは釜沢で生まれ育った松下隆夫さん(75)。
長年林業土木に携わった松下さんは、山の中での立ち振る舞いや山の財の扱いが身についている。段取りよく指示が飛ぶ。
「そこの木を切ってくれるかな」
若者がのこぎりで切り始める。手際良くやろうと早く手元を動かす。それを見ていた松下さんは「それじゃ息が切れるだけだで、のこぎりはなぁ、あせらんくてもいいで引くほうをゆっくりやってみ」
伝統の祭りは生活の知恵の中で営まれてきた。釜沢の暮らしで必要なものはすべてここにあるのだと思う。必要なものはどこに行けばあるのか、どれだけ借りてくることができるのか、つまり山を維持していくとうことも考えられている。そして、その資源を生かす知恵や能力が伝えれてきた。そうやって長い間行われてきた地域の祭りなのだろう。

オカリヤ様の骨組みになる竹と中に入れる、スギやヒノキ、カヤなどを山から引き下ろすと、車に積んで集会所の前に運ぶ。いよいよオカリヤ様の組み立てがはじまる。

釜沢の「オカリヤ様」は何といっても、手で吊りあげて火まで運べるように竹を組まなければいけないので、全体のバランスが重要だ。
竹と竹を組み合わせて藁ひもで組んでいく。
「はざ(※)と一緒で、縄をかける位置で倒れるか、倒れないか決まる。下をしっかり安定させて。」と、松下さんが音頭をとる。
少し離れて竹の骨組みのバランスをみる人、竹を縛り上げる人、それを支える人、材木を使いやすいように整える人、住民皆で作り上げるオカリヤ様だ。

辺りがすっかりと暗くなった夜6時、釜沢の人、旅の人、他の集落の人が集まる。

午前中から燃やしておいた火種の上に皆でオカリヤを担ぎ置く。パチパチというヒノキが燃える音とともに、勢い良く燃え始める。始めは東よりの風が吹いていたものの、しばらくすると炎が立ち上がる。真っ直ぐに伸びる火は「縁起がいい」と言われる。

高く伸びあがる真っ赤な炎と、針葉樹の香り。そしておきになった時の静けさと温かさ。赤く映し出される人の顔と顔。そのやわらかな雰囲気に歴代の人々は同じような心地よさを感じていたに違いない。年の初めの浄化の儀式だ。
誰かが「リニアが来るまでは頑張って暮らそう」といった。
ある人は無言で聞き流し、ある人は「通るはずがない」という。
この静かな集落にリニアはどんな変化をもたらすのだろうか。JR東海が長野県でいち早く工事に着手したいのがここ、釜沢だ。
集落の女性がおきになった穏やかな火を見つめて言った。
「今年は静かでおだやかな年になるに」
―――これが釜沢の願いであり、祈りであると感じた。

雪の下のあのこ

20150113_photo01春は遠いのか、近いのか。

土の中をちょっと掘りおこすとそこには春のあのこがいるのです。

「少しだけ春風をわけてね。」といって土の中からいただいてきます。

ゆず釜に添えるのは筑紫の酢の物。

新春を寿ぐ スノートレッキング ~その2~

睦月。

新しい年を迎えて、身近な人と仲睦まじく穏やかに過ごすのがこの季節のテーマ。いつもよりゆっくりと過ごします。
また小正月にかけての時期は天気もいいので外に遊びに行くのにはもってこい。

今日は地元の子供たちと、大鹿村に帰ってきた若者と地元散策。
みんなのお山、M山にスノートレッキング。つい先日ラッセルしたばかりなのでスノーシューが履けない子供達も歩き安かったようで、大人と同じペースで歩けました。
2時間ほど歩くと目的地に到着。
彼らはお気に入りのそりを担ぎあげて、息つく間もなく早速遊び始めました。ひとしきり遊んだところで、甘~いおしるこをいただき、更に高台を目指します。

ちょっと急斜面だけど「滑ってみる!」ということで先陣を切ったのはKくん。

ちょっと斜面がきつかったのと、軽量なのでそりから放り投げ出され、やっぱり大泣き。そうね、泣いちゃうよね。
そのあと滑ったお姉ちゃんのSさんも大泣き。
「もう雪遊びはやらな~い」などという始末。
お昼をいただいたら元気になるよ、ということで気を取り直してテンカラ(天然カラマツ)の下に戻る。
みんなでご飯。
もうさすがに「帰る」とかいうよね、とか思っていたら、ご飯のパワーは素晴らしい。

「もう一回やる!」といってもう一度ブナの丘まで歩きだす。大人もついていく。
子供達は面白い!とおもったことにとても貪欲なのでした。
しっかり遊んで今夜はよく眠れたでしょう。

子供達が教えてくれた

「貪欲にやり通す」

素晴らしい年の初めの教えでした。