オオシカ谷は2014年夏、ユネスコエコパークに認定されました。
つまり、世界が「オオシカ谷っていいね!」と認め「この豊かな自然を守っていきましょうよ」ということを決議したということになります。
エコパークの柱となる理念は
「地元の人間がその価値を理解し、活用すること」です。
ですからオオシカネイティブ達がそれらを知らないことには始まりません!
そこで!秋の行楽シーズン。
仲間を連れだってK渓谷の雨乞いの滝まで川をさかのぼりました。
いち早く、川沿いの山ぶどうの葉は色づき、見上げるとダケカンバでしょうか、黄色く色づく一角もあります。
高山地帯は紅葉が始まっています。
足元には、南アルプスのランドマーク的植物フジアザミ(※)が花盛り。
名残のビランジが石灰岩の割れ目に見られました。
夏にワスレナグサのようなかわいらしい
青い花を咲かせていたオニルリソウは実を結び、
「鬼」の由来がなんとなく伝わってくるような
破壊的な粘性を持つ種子を結実させています。
メンバーの沢靴やスパッツはオニルリソウで
一時、彩られたのでした。
山登り沢登合わせて5時間。たっぷりと深山渓谷の息遣いを
身体で感じてきました。
さてさて、
世界が「オオシカ谷っていいね!」と認め「この豊かな自然を守っていきましょうよ」ということを決議したはずですが、ここを「リニア新幹線」が通るといいます。
守るのか、壊すのか、、、
ちゃんと言っていることと、
やることを一致させたほうが気持ちいいと思うのですが
そうはならないものなんでしょうか?
大人の都合はよくわかりません。
私たちが大好きなK渓谷の流量は
このリニアの工事によって渇水期に8割減少する可能性があると言います。
この「雨乞いの滝」もなくなってしまってもおかしくはないのです。
南アルプスの自然を守ること(エコパーク)と開発行為は同時にはできません。
(※)フジアザミ・・・富士山周辺から南ア地域まで分布するが、中央構造線を挟んで伊那山地から西には分布していない植物のひとつ。