小渋線の着工が始まろうとしています

20160830_photo01松川町から大鹿村に続くダム沿いの道、通称小渋線でリニア計画にかかわる改修工事が始まろうとしています。
今日、小渋線を通ったら白い囲いができていてびっくり。

先週行われた小渋線の工事説明会に抗議しましたが、その言い分は聞かないよって感じですね。

抗議文全文は以下。

東海旅客鉄道株式会社代表取締役社長 拓植 康英 様
大鹿分室 御中 ご担当者様

2016 年 8 月 25 日大鹿の 100 年先を育む会 リニア検証部リニア対策委員会担当 前島 久美(090-8044-0704)大鹿の 100 年先を育む会代表 伊東 直子事務局 山根 沙姫

8月24日行われた工事説明会への抗議昨夜8月24日、JR 東海は大鹿村での道路説明会を終え、工事着工の手続きを終了する意向を示しました。私たちは、今回の説明会でまったく説明責任が果たされたと思っていません。強く抗議するとともに、松川インター大鹿線(以下小渋線)のトンネル工事、および拡幅工事の中止を求めます。松川インター大鹿線は、私たち大鹿村民にとって生活道路であり、また季節折々の眺めを楽しめる観光道路です。当初より意見要望を申し上げている通り、リニアが来ることと、道をよくしたいというのは別問題です。小渋線は、修繕が適切になされ、ダンプがこれ以上通らなければ、生活道路と観光道路を兼ね備えた、ユネスコエコパークの理念に沿った持続可能なよい道です。2つのトンネルで自然破壊が行われたり、四季折々の自然の風物を楽しめるワインディングロードを、まっすぐに加工して観光的な価値を下げることを避けてください。またトンネル工事によりハンノ沢をトンネル残土で埋め立てるといった自然破壊を行うことは、美しい村連合に所属する中川村、大鹿村 双方にとって不適切な残土の処理の仕方です。昨年秋に大鹿の100年先を育む会で行った小渋線の道路交通状況アンケート(観光客向け)では、リニアの本体工事にかかわらず、改修工事が始まれば「来村を控える」「来る頻度を減らす」といった回答が全体の3割強でした。村の観光業に与える影響は甚大となります。もちろん、リニア工事関係者から得る収入も少なからず増えることも考慮しますが、そもそもこれまで大鹿村を観光で訪れてくださる方は、自然や癒しを求めています。その自然が失われることへの損害や、村を訪れるすべての観光客、村の観光事業者、生活者への補償が全く考慮されることなくなされる工事強行の姿勢に強く抗議します。小渋線の道のあり方については、リニア工事とは切り離し、ユネスコエコパークの理念、時代の要請に合った村内での議論と合意を経てからなされるべきものです。その前提のないいかなる工事も許すことはできません。以上の意見を大前提とした上で以下に要望いたします。1 工事説明会は一回で終わらせないでください。また、JR 東海から県主催の説明会を開催するよう長野県に要請してください。私たちは JR 東海の説明責任は果たされたとは思っていませんので、JR 東海の説明に理解も同意もできません。松川インター大鹿線の管理者は県であり、道路は私たち県民の財産です。一企業が住民の意向を一方的に推し量って、道の改良を決めていいものではありません。私たちは、住民の納得がいくまで管理者と工事施行者が説明会を何回でも行うよう求めます。私たちが上記の要望を持つに至ったのには、以下の根拠があります。(1) 大鹿村リニア対策委員会では、JR 東海からは8月中に工事説明会を行いたいとの打診がありましたが、残土を持ち出す場所も決まっていないのに、それに関わる工事説明会をするのは拙速であるという意見が出ていました。JR 東海も県もこの点についての説明責任を果たしていません。(2) また、昨夜8月24日の説明会では、JR東海は、工事を始めてみて問題があれば随時対応していくという説明でした。これは問題が起きても最終的には責任を持たないということにほかなりません。JR東海が計画している工事で起こりうるすべての想定に対してどのように対処するのか、JR東海が考える対策を住民に示す必要があります。この点についての県も JR 東海も説明責任を果たしていません。JR東海が道の改良を持ちだしたのは、自分たちの工事車両を支障なく通過させることが第一の目的です。住民の利便性の向上は本来の目的ではないことは明らかです。小渋線は、県民の道路であり、私たちの生活道路です。そのあり方を、一私企業の営利事業のために、一方的に決めるというのは到底許すことはできません。2 昨夜(8月24日)の質疑でも出ていた通り、JR 東海の姿勢は、工事説明会は1回でOK、JR東海や村の関係者の都合で日時を設定していました。住民の理解を得るために説明会を開催したいなら日曜日、平日の日中、夜といった複数の時間帯を選べるかたちの説明会を開催してください。昨日も、工事説明会の実施を対策委員会に諮ったという説明を、澤田部長はおしゃっていましたが、対策委員会の委員は住民や村の代表者ではないので、対策委員会に対する報告がなされたとしても、住民への説明責任が果たされたことにはなりません。3 また、工事主体の JR 東海は通知に自ら労力を払うことすらなく、村の同朋無線による4日間(8 月 18 日、21 日、23 日、24 日)の通知と村のケーブルテレビの文字放送(8 月 15 日~24 日まで)がなされたにすぎません。村民の生活に損害を与える迷惑工事なのですから、自らの予算と労力で十分な周知を行ってください。通常迷惑工事の工事主体者の周辺住民への通知はそうします。村民の税金を無駄遣いしないでください。今回の工事説明会のあり方は「やりさえすれば法令順守」というアリバイ作りのものであり、住民の理解を得るためになされたものではありません。強く抗議するとともに、昨日の質問要望が出された内容に対し、JR東海は説明責任を果たしてください。それがなされていない状態での工事の開始は認められません。これこそ、認可時に国が危惧した住民軽視にほかなりません。