大鹿村では「長野県でここだけ」というのが
私が知っている範囲でいくつかある。今日は新世界へ足を一歩踏み入れた。
「ご紹介します!」といって広島からやってきたコケ王子ことIさんが案内してくれた。
これなんですけど・・・と王子は言って
手際よく持参した霧吹きを取り出し、
シュシュッと乾いたコケに水を吹きかける。夏の太陽にさらされて
からからに乾いたコケはみるみる正気を取り戻したかのように
青々としてその小さな葉を広げる。
「コモチネジレゴケ」
名前のごとく、むかご(子供)をつくって分布を広げるらしい。
ルーペで見せてもらうとコケの中心にいくつもちっちゃなコケが何個も見ることができた。
「長野県には今のところ大鹿村のここでしか確認してません」とコケ王子は興奮気味に教えてくれた。
そのコケは、集落のシンボルといってもいいような大きなイチョウの木を住処にしている。なんだか感慨深い。
いつ頃からこのコケはここで生活しているのだろうか。
小さな小さな苔の世界。
でも奥はとっても深そうだ。