【自然観察】シロヒトリ

この時期、活発に歩き回っているのをよく見かける。

コンクリート道を高速で歩く黒や茶色の毛虫を見かけたら、おそらくヒトリガ科の彼らだ。

蛹化寸前のぶりぶり(※)の彼らは、蛹化スポットを探してなのか

恐怖心もなく、車道を横断するので

車にひかれて、路上であえなく命を落とす姿をみる事も少なくない。

彼らは多食性なのでなんとも言えないところもあるのだが

写真の彼は、スイバを食している。

おそらく、シロヒトリ。

長く密生した毛の印象からさも毒がありそうだが、無毒。

この外見から私達が受け取る印象は「闘わずして命を守り維持する」ことを目的とした生命進化の「たまもの」なのだ。

だからいっそう、触れてみたくなる。

少し固めの毛束はごわごわした肌心地ではあるが、

ほ乳類のような触感で愛着が湧く。

この外見から一体どんな姿になるのかと思うが、

成虫は意外と美しく、端正。

幼虫と成虫のイメージが繋がらないタイプのいもむしだ。

成虫は全身が白いが、羽を開くと腹の側面と足の付け根の朱色が目立つ。

閉じた翅を広げて飛び立つ時の様子などは

まるで、着物の表地に対して裏地の配色の粋を

みた時の気持ちの高揚感に似ている。

※)ぶりぶり 幼虫好きの人たちが終齢の個体を目にした時に使う装飾のフレーズ。概ね定型装飾。

余談「なんちゃらヒトリ」の一般的なイメージは「有毒」かもしれない。

人間社会と同じで、クセの強い個体がその集団の印象づけをするように

同じヒトリガ科でも有毒の外来種「アメリカシロヒトリ」の印象に全部持ってかれている感は否めない。

ヒロリガ科の外見は毒々しいがその多くは毒針を持たないとされている。