村一軒の養蚕農家 紙谷正さん(88)は、夏蚕(なつこ)をやとい上げました。
蚕室に放たれたお蚕様は、ちりじりに上蔟機の上へ上へと登りあがります。
世界をぐるっと見渡してから、自分の部屋を探すのです。
日に当たるお蚕様の身体は、うっすらと透けています。
身体の中はこれから紡ぐ糸でいっぱいです。
部屋の中ではすでに繭作りに専念しているお蚕様もいらっしゃいます。
月別アーカイブ: 2014年7月
夏のお蚕様ツアーを実施いたしました
「いつでも送っていいよ大作戦in大鹿」の会員の御家族様が来村してくださいました。
子供達には是非見ていただきたい養蚕の現場にお連れしました。
村一軒の養蚕農家 紙谷正さん(88)のお宅では、お蚕様たちが上蔟前の最後の食事をちょうど楽しんでいました。
子供達は、初めてみる大量のお蚕様たち約2万頭にかなり慄きながらも、興味津々。
お蚕様が桑を食む音や、桑の葉っぱや夏の陽射しの匂い、そして紙谷さんのこと、
覚えていてくれるといいな~。
「いつでも送っていいよ大作戦in大鹿」では、御希望に応じて里山見学ツアーを実施しています。
お気軽にお問い合わせください。
「右馬允だより」新刊を掲載いたしました。
「右馬允だより」新刊の閲覧はこちらからどうそ。
小渋川ふらっとサカノボリ
ここ数日、もわっとしたこもった暑さが続いていたが、今日はさわやかな風が吹く。理想的な夏の日。
うずうずするので、午前中はサクサクと事務仕事と畑仕事を終わらせ、近場でどこかキャンプに行こう!
と、午後いちで車を走らせた。
自然と赤石岳の登り口に足が向かった。
赤石岳への古典ルート、通称ウエストンコースともいわれる。
釜沢、七釜橋から、多いときで20回ほどの渡渉があるコースだ。
亡くなる方や行方不明者も多く、今となっては「幻のコース」とも言われているらしい。
夏の渓谷の匂いと清流の冷たさが最高に気持ちがいい。
今回の渡渉は深いところで足の付け根あたり。(歩行者身長164㎝)
ちょっと流れのきついところもあるが、川をよく読めば危険は概ね回避できる範囲。
駐車場から高山の滝まで2時間。
このあたりでキャンプと決めて、更に上流の広河原小屋まで足をのばした。
ザックは置いていこうか迷ったが、トレーニングのため背負っていく。
以前きたときより支流の沢が氾濫していて、上流から土砂が押し出してきている印象。
「荒川前岳と小赤石が見えるのかな~」
近づけば近づくほどに、なんだか、何が見えているのか分からなくなってしまう。恥ずかしい地元人がいるのでした。
小渋川左岸の切り立った中国の山のような尾根は、大沢岳に続く尾根だということにはたと気づき愕然としました。
山の花も色も鮮やかに、さまざま目を楽しませてくれました。
クルマユリ、タカネビランジ、タマガワホトトギス、シナノナデシコ、クガイソウなどが今回のキレイどころ。
相変わらずうっそうとしている広河原小屋の周りをうろうろとしてから、今日の野営スポットに戻り、夕飯作り。
登山用に作り貯めした乾燥野菜をたっぷり使ってみました。
お米を炊きながら、高山の滝で天然シャワー。グランドシートをひいてごろごろ、ゆっくりと過ごしました。
滝の音と小渋川の音がゴ―、ゴーと、とめどなく続く空間。
耳で聞くのではなくて脳の前側、前頭葉付近で受け止めると、更にリラックス効果が得られる印象。
あたりが薄暗くなるとシュラフにもぐり、テントから顔だけだして、天体ショーを夕暮れから星空まで楽しみました。
【渡渉メモ】:
今回の広河原小屋までの渡渉回数は13回。大雨ごとに川の地形が大幅に変わっています。昔は渇水期はありましたが、現在は渇水期はあまり関係なく、川の水位はひざ丈以上あるとお考えください。
夏蚕のゆくえ
村一軒の養蚕農家 紙谷正さん(88)。
夏蚕の飼育が始まっています。今年はどういうわけか、お蚕様の成長度合いがイマイチのようです。
今朝は4時前に起き、ボヤ(※)を取り除いてから畑の水やり。
そして6時には桑の刈り入れをします。
夏だからこそ、頑張れる時間があります。
お天道様が元気に照らしてくれる前に、やるべきことをする。
紙谷さんからのメッセージがあります。
※ボヤ:お蚕様が桑の葉を食べ終えたあとの枝の部分
クモの巣のヒカリ集め
夏のお料理
右馬允では、その日その日で収穫できた素材を大切にしております。
今日は夏のきのこ、アンズタケで酢の物を。
月見草を天ぷらに。
畑のナスは焼きナスで、豆腐のソースとからめてお召し上がりくださいませ。
ヤマユリが清涼感を漂わせています
庭のヤマユリが花盛りを迎えています。
早朝や夕暮れ時など、風向きによっていい香りがしてきます。
庭のガクアジサイの青色とのコントラストで、しばし暑さを忘れます。
自然界から必要なものは受け取って暑気払い。
ミドリシジミ舞う鳥倉林道
夏の陽射しに、メタリックグリーンを輝かせる蝶。
ミドリシジミ。
光の当たり具合によって色は多彩に変化する。
主にカバノキ科を食草とする他、ブナ科やアオダモ、イボタノキでも卵の発見があるという。鳥倉周辺はヤマハンノキが多くみられるのでそれらが主な食草になるだろうか。
幼虫はミドリシジミ類でももっとも長いイモムシ。
スジモクメシャチホコ
今月初旬にJヶ池のハルニレでみつけたかっこいいイモムシ。
仮称「Jヶイケトゲトゲシャチホコ」と名付けて育てていましたが、羽化して「スジモクメシャチホコ」と同定しました。
『羽化年1回。卵越冬。成虫は8月にみられるが多くない。』とあるので、写真を撮って故郷のJヶ池に帰してきました。
来年もかっこいいイモムシを見せてね~☆