小渋川ふらっとサカノボリ

ここ数日、もわっとしたこもった暑さが続いていたが、今日はさわやかな風が吹く。理想的な夏の日。
うずうずするので、午前中はサクサクと事務仕事と畑仕事を終わらせ、近場でどこかキャンプに行こう!
と、午後いちで車を走らせた。

自然と赤石岳の登り口に足が向かった。

赤石岳への古典ルート、通称ウエストンコースともいわれる。
釜沢、七釜橋から、多いときで20回ほどの渡渉があるコースだ。
亡くなる方や行方不明者も多く、今となっては「幻のコース」とも言われているらしい。

夏の渓谷の匂いと清流の冷たさが最高に気持ちがいい。
今回の渡渉は深いところで足の付け根あたり。(歩行者身長164㎝)
ちょっと流れのきついところもあるが、川をよく読めば危険は概ね回避できる範囲。
駐車場から高山の滝まで2時間。
このあたりでキャンプと決めて、更に上流の広河原小屋まで足をのばした。
ザックは置いていこうか迷ったが、トレーニングのため背負っていく。
以前きたときより支流の沢が氾濫していて、上流から土砂が押し出してきている印象。

「荒川前岳と小赤石が見えるのかな~」

近づけば近づくほどに、なんだか、何が見えているのか分からなくなってしまう。恥ずかしい地元人がいるのでした。
小渋川左岸の切り立った中国の山のような尾根は、大沢岳に続く尾根だということにはたと気づき愕然としました。
山の花も色も鮮やかに、さまざま目を楽しませてくれました。
クルマユリ、タカネビランジ、タマガワホトトギス、シナノナデシコ、クガイソウなどが今回のキレイどころ。

相変わらずうっそうとしている広河原小屋の周りをうろうろとしてから、今日の野営スポットに戻り、夕飯作り。
登山用に作り貯めした乾燥野菜をたっぷり使ってみました。
お米を炊きながら、高山の滝で天然シャワー。グランドシートをひいてごろごろ、ゆっくりと過ごしました。
滝の音と小渋川の音がゴ―、ゴーと、とめどなく続く空間。
耳で聞くのではなくて脳の前側、前頭葉付近で受け止めると、更にリラックス効果が得られる印象。
あたりが薄暗くなるとシュラフにもぐり、テントから顔だけだして、天体ショーを夕暮れから星空まで楽しみました。

【渡渉メモ】:
今回の広河原小屋までの渡渉回数は13回。大雨ごとに川の地形が大幅に変わっています。昔は渇水期はありましたが、現在は渇水期はあまり関係なく、川の水位はひざ丈以上あるとお考えください。